2014年12月1日月曜日

世界初!(らしい) 「MUSICIANS' HACKATHON」大成功!新たな 歴史のページが開かれたのかも。

 エンタメ系スタートアップを応援するためのStart Me Up Awardsと同時開催のハッカソン。最近は、日本でもハッカソンは珍しくなくなってきているので、僕らが企画したのは、音楽家が必ずチームに居るという「MUSICIANS' HACKATHON」。欧米では音楽家がハッカソンに参加すること自体は珍しくないだろうけど、こういうスキームでやったハッカソンは世界初らしい。気持ち良い響きなので、言わせてもらっている。

 きっかけは浅田祐介さんとの会話。「ハッカソンってもっと面白く出来るよね?」。
浅田祐介46歳は元祖ギークな存在で、中高生の頃は楽器よりもコンピューターが好きだったのは知っている。「じゃあ音楽家が必ずチームに居るハッカソンやるから、U-ske君がキャプテンね」と、オーガナイザーとして、即座に任命した。

 彼の人柄と交友関係で、日本の第一線で活躍するサウンドプロデューサー、アーティストが集まってくれた。とはいえ、音楽家向けの説明会をやった時は、ほとんどの人はハッカソンがどういうものかわかってなくて、頭を抱えてた。プログラマーなどの一般参加者と、ゲスト音楽家を別々にFacebookグループをつくって、アイデアを募り、僕らが間をとりもったけれど、事前にチーム組成のメドを出しておくという目論見は、見事に外れ、正直なところ当日の朝は不安で一杯だった。

 結論から言うと、まったくの杞憂だった。アイデアを出し合って、チームを組む段階から、ものすごい熱量が出ている場だった。運営協力「リクルートテクノロジーメディアラボ」の伴野さんの仕切りの手腕も見事で、アイデアをぶつけ合いながら、約80人から、17組のチームができた。初対面、しかも異分野の人同士なのに、朝からエネルギーが溢れていた。会場協賛してくれたTHE SOHOは、オフィス兼住居ビルなんだけれど、非日常感もあり、東京お台場のキッチュさを体現しているスペースだった。ここでやれたのも良かった。協力してくださった皆さんに感謝。

 僕は、その後、Start Me Up Awardsの最終審査会のために、通り向かいの日本科学未来館に移動。戻ってきて、夜の中間発表の時には、もうみんな和気藹々だった。
 日本の第一線で活躍を続けている音楽家は、高いクリエイティビティと人間力を持っているのは知っていたつもりだけれど、今回も、そのパワーをまざまざと見た。キャプテン浅田が何度も何度も「こんなにみんなが目を輝かして何かを作っている姿を久しぶりに見た」と言っていたけれど、同感だ。中間発表が終わったときには、不安は大きな期待に変わっていた。

 寝袋で数日分の睡眠を取った翌朝は天気も快晴で気持ちよかった。15時にハッキングは終了して、16時から発表会。これが凄かった。17組全部が、発表をできること自体が、ハッカソンとしては珍しいらしい。チームの結束が固いのと、その場のテンションが高いのが印象的だった。

 一組4分間の発表会は、さながらエンターテインメントショーだった。感嘆と爆笑と満場の拍手がひっきりなしに起きた。詳細レポは公式サイトなどに載せるので、そちらを見て欲しいけれど、円ドルポンドの為替の動きに合わせて曲を奏でるFX-SOUNDとか、スマホが猫になって、曲を聴かせると性格が変わるアプリ「ねこゴロゴロ」とか、クレイジーな発想がたくさんあった。

 API提供会社の理解もありがたかった。主宰する僕自身もそうだけれど、音楽関係者はAPIなどのIT知識が乏しい人が多い。トンチンカンなことも多かったはずだけど、暖かい目で見守りつつ、サポートしてくれた。次にやるときは、API側との連携ももっと上手にとっていきたい。

表彰式は、歓喜に包まれていた。音楽では何度も賞を取っているはずの今井大介さんが、ガッツポーズで「本当に嬉しい」って言っていた。20代のプログラマー、デザイナーと一緒に作った「I am your DJ」というリコメンデーションは、SpotifyとGRACENOTEから表彰された。ツボを押さえていて、ストリーミングサービスが広まれば日本でもすぐ使われそうだ。

 最優秀賞をとったのは「日本パーティ党」。Kinectを使ってダンスのリズムを測定、リズムに近い楽曲を自動的に流すというサービスを見事に仕上げていて、完成度が高かった。チームメンバー、元ニルギリスのアッチュが名言で締めてくれた。「プログラムって、何をやっているかわかんなかったけど、一日でこんなものつくっちゃうなんて凄い!プログラマー最高!」
 感極まった受賞の弁を聞きながら、僕も涙が出そうになった。
 うん。また、やるよ。

 こんなことを続けていれば、何か凄いことが必ず起きる。日本の産業は、個々に旧い障壁で分断されて、パワーが落ちているだけで、潜在力は高い。異ジャンルのクリエイターがコラボレーションすればブレイクスルーは起きるはずだ。日本人のクリエイティビティを信じて、続けていきたい。

参加音楽家(順不同・敬称略):浅田祐介、松武秀樹、RAM RIDER、 渡部高士、 浅岡雄也、Yun*Chi、ミト (クラムボン)、松岡英明、岩田アッチュ(EX.ニルギリス)、藤井丈司、本間昭光、島野聡、今井大介、Neat's、1980YEN (ICHIQUPPA)、藤戸じゅにあ(THE JETZEJOHNSON)

追記(12/9):運営協力のリクルートメディアテクノロジーラボ伴野さんが、MUSHUP AWARDSのサイトに全作品紹介を載せてくれたので、見てください!
【ハッカソンレポート@SMUA2014】Musician’s Hackathon2014 〜全作品紹介〜

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