2012年11月25日日曜日

NHK FM「元春レイディオ・ショー」に出演します。


 それは、記憶に無いくらい色んな種類の汗をかく体験だった。高校時代からのファンで、敬愛する佐野元春さんからラジオ出演の依頼をいただき、1時間番組で対談した。秘書の方からオフィスにお電話をいただいたときは、僕のアシスタントも混乱したらしい。「山口は外出しております。ご依頼の内容はわかりましたが、どのアーティストへのゲストのご依頼ですか?」と答えてしまったと苦笑しながら報告があった。そりゃそうだろう。執筆やセミナーへの出演などの「副業」の稼働も、最近は増えてきているけど、ラジオ出演は初めてだ。ましてNHKFMの名門アーティスト番組。お受けする旨をお伝えして暫くしてから「あっ!俺、ラジオ初めてだ」と思って、不思議な気分になった。

 音楽プロデューサーとしてアーティストマネージメントとしてラジオ局には散々お世話になっている。2004年には『月凪』という曲で全国FM局パワープレイの新記録をつくらせてもらった。親しくさせていただいているプロデューサー、ディレクターも多い。ラジオ収録に立ち会った回数なんて数え切れない。でも俺、初めてだったと、また別の汗をかいた。「大丈夫かな?」
 ユーザーとして楽曲は聴いているし、業界の先輩方がスタッフとして関わってられたから、お人柄についても伝え聞いている。でも、面識は全く無かったので、収録前にお会いしておきたくて、事前に時間をいただいた。
 佐野元春さんは、インターネットに関して、最も先駆的な試み、関わり方をされてきたアーティストだ。音楽活動も積極的で、最近だと、雪村いづみさんとのデュエットも素晴らしかった。NHKテレビ『ザ・ソングライターズ』でもインテリジェンスが光っていた。そんな事を思いながら、打合せに向かった。

 都内の閑静なエリアにある広いオフィス。大きなソファとテーブルがゆったりとしたスペースの真ん中にある。1時間の予定だったけれど、打合せを終えて失礼したときには2時間経ってた。「音楽配信の未来」について話したいとのことだったので、周辺状況も含めて、僕の知っていること、考え方などを率直に話し、佐野さんのスタンスを伺った。広範な知識としっかりとしたアーティストらしいお考えをお持ちだった。ビジネスマンである僕とは立場は違うけれど、ベクトルは一緒だった。「僕の番組は音楽が好きなリスナーが聴いている。山口さんや僕は色んな情報も持っているけれど、この日は現状への不満3割、未来の希望7割のバランスで話したいけど、どう?」と言われ、「大賛成です。」と答えた。

 内容については、オンエアーを聞いて欲しいけれど、良かったのは、2時間弱の打合せの間、世間話が一つもなかったこと。音楽業界でのキャリアの長い人同士の初対面は、しばしば「あの人を知っている?」という話の応酬になる。お互いの人脈をすり合わせることで、安心しようとするし、どんなキャリアの人かを探り合うようなやりとりに時間を割くことになる場合が多い。ところが、この日は全く無かった。僕の書籍もブログも読んでいると最初に伺ったので、自己紹介は省いて、自分の考えと、国内外の音楽ビジネス・サービスに関して知っていることを話した。「一流の人は業界”ずれしない」という事は知っていたつもりだけど、真摯に語る佐野さんの姿は本当に素敵だった。

 収録当日は、ガチンコだった。向かい合って座り、質問を投げかけられる。構成台本を見ながら話せるかと思っていたので、メモ一つ無い状態で、緊張感はマキシマムまで高まった。後から考えると、ジューシーな会話にするという意図だったのかもしれない。ミュージシャンのセッションみたいな感覚だなと、妙に納得がいった。その状況にきちんと対応できたかどうか、自信は無いけれど、佐野さんの包容力のお陰で、上手じゃ無いけど、嘘の無い話ができた気がしている。

 NHKの収録スタジオは、佐野さんが入られると、ぴーんと張り詰めて良い感じだった。スタッフが緊張感を持って仕事をしている現場は好きだ。ゲストの僕はリラックスした振りをするのが役割と思い、立ち会いにいらしていた伝説のディレクター湊さんと『サウンドストリート』の昔話などしながら、セッティングを待っていた。

 打合せの時にご本人にもお伝えしたけれど、カラオケボックスが一般的になる前、カラオケが苦手な僕が飲み屋に連れて行かれて、どうしても歌わなければならないときはいつもSomedayを歌っていた。25年位前のレーザーかテ8トラのカラオケで、僕が歌いたいと思える曲は、他に無かったんだ。
 もう一つ。ご本人にお伝えしそびれたエピソードがあった事を、佐野さんのベスト盤を聴きながら思い出した。高校時代にやっていたバンドで、たぶんNHKの番組の主催のコンテストに出場した。その時のゲスト審査員が佐野さんだった。僕はキーボーディストだったけど、作詞には関わっていて、歌詞を褒められて喜んだ記憶がある。もう30年位前の事だ。

 そんな方からのご指名でラジオで対談するなんて、光栄なことだなぁ。そして、僕の憧れは裏切られること無く、素晴らしい体験をすることができた。柄にも無く、神様に感謝したい気分。記念撮影をねだってしまったのは、友人なら驚くだろう、僕には珍しいこと。「ブログにアップしちゃダメ!」と言われたので、このまま家宝にします^^ 

 放送は124()23時〜24時。NHKFMです。お時間ある方は、聞いてみてください。すごく緊張して、へたくそな説明の僕が、でも嬉しそうに話してるはず。
●「元春レイディオ・ショー」オフィシャルサイト


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 音楽ビジネスの新スキームへの挑戦の一環でもある「j-Pad Girls」は、クラウドファンディングを使って、2nd Seasonのサポーターを募集中です。興味を持った方は是非参加してください!温かいご支援をお待ちしてます<(_ _)>
「j-Pad Girls」東京から世界に発信するメディアアート・プロジェクト

2012年11月18日日曜日

 j-Pad Girls「ボードメンバー制度」始めます 〜クラウドファンディング実践中〜


 新プロジェクト「j-Pad Girls」は、2ndSeasonが始まり、お陰様で好評。権威ある「週刊文春webで紹介されたのはありがたかったけど、自分まで撮影されたのは恥ずかしかった。ただ、一流のカメラマンは、被写体をいじるのも上手だし、シャッターチャンスを逃さない。萩庭さんのお陰で、「破顔一笑」という感じの写真が掲載されている。これなら好感度あがるかなぁ?(笑)
 
 
 総合プロデューサーを名乗る僕としては、「ソーシャルメディア最適化コンテンツ」とは何かという事をいつも考えている。全てが可視化されるソーシャルメディア上で注目され、共有され、話題にされ、拡散されるにはどうすればよいのか、そして、ユーザーとコミュニケーションをとりながらコンテンツをプロデュースするってどういうことなんだろう?そんな事ばかり考えている。
 『ソーシャル7の共著者でソーシャルメディアに関する僕の師匠である、髙野修平君の言葉を借りれば「共有」「共感」「共鳴」の3つを、どうすれば起こせるのか?

 そんな問題意識の中での、一つのトライが「ボードメンバー制度」だ。そもそも「j-Pad Girls」はプロジェクトの開始の発表をクラウドファンディングのサイトで行った。「僕たち、こんなことやるので、お金出してください」と、公の場で言うのは、勇気のいることだった。従来の業界の人からは「蛮勇を奮った」と見えるかもしれない。
 エンターテインメントビジネスの方法論の一つとして、クラウドファンディングは可能性を感じている。プロジェクトを始める前に、ユーザーの審判を受けるという側面もあって、ドキドキ感が満載だ。先日も、AIU RATNAというアーティストのインドネシアからの来日資金をCampfireというサイトで集めだけど、目標金額に達したのは締切当日で、冷や汗をかいた。(ご支援いただいた皆様、本当にありがとうございました)



 今回の「ボードメンバー制度」は、クラウドファンディングにふさわしい「リターン」として考えた。「このプロジェクトは面白いから応援しよう!」と思ってくれたユーザーには、継続して見守ってもらいたいし、意見も聞きたい。
 Board memberは日本語に訳せば「取締役」。株式会社では、株主から経営の方向性を決める役割。「j-Pad Girls」は、僕と浅田祐介が代表執行役みたいな立場だけれど、重要なことの意見を聞く場をユーザーと持ちたいと思ったんだ。

 プロデュースをしている過程で、ユーザー目線だと、どう感じるのか知りたいと思ったことはこれまでもある。例えば、ジャケット写真やアーティスト写真のチョイス。プロデュース方針に合うかどうか、クオリティ的にOKかどうかは、プロとして即座に判断できるけど、ディテールでは「どっちもありだなぁ。どっちがいいかなぁ?」と悩むことも意外に多い。せっかく、クラウドファンドで支援者を募るのなら、そういう選択に参加して貰うのもいいのではないかと。幸い今は、フェイスブックの非公開グループなどを使えば、簡単にコミュニケーションや投票などもできる。「ソーシャルメディア最適化」プロデュースとしてのトライアル。
 プロモーションキット付で2000円。YouTubeなどの動画には名前もクレジットできる。スタッフと対話できる立場を手に入る。僕らプロデューサー陣はドキドキだけど、みなさんにはワクワク感を少しでも与えられたら嬉しいな。

 214日は初のリアルイベントもやります。VJイベントみたいなつもりだったんだけど、やる気満々のアーティストが1st Season2nd Senasonから計6人。卒業間近のMayと北京在住の羅さん以外は、歌いに来てくれることになった。相沢まき船田真妃山下瑞稀伊藤寿賀子酒井蘭小幡尚美(敬称略)。週刊文春webの写真を見て欲しい。さすがに、美女・美少女好きを自称するキャスティングプロデューサー松本拓也入魂のキャスティング。これだけ多種多様な、でも本物の「美女」が揃うことって、なかなか無いんじゃないかなぁ?眼福って言葉があるけど、まさに観てるだけで、なんか幸せな気分になるよ。しかも、みんな表現力が豊か。歌にサムシングがある。ステージ上も最新のテクノロジーをアナログ感で採り入れる「j-Pad Girls」らしいイベントにしたいと、知恵を絞って、相談しているところ。ライブの入場券付はプラス3000円。70人も入れば満員になる渋谷の小さなクラブスペースでやるつもり。彼女たちと飲める訳じゃ無くて、僕らスタッフとだけど、打上げへの参加権付のリターンもあるよ。
 今回のイベントがうまくいったら、もう少し大規模にしていきたいと思っている。その辺のやり方も「ボードメンバー」に相談したい。

 実は、3rd Seasonのキャスティングも進行していて、そろそろ次の4人も決まりそう。「ボードメンバー」は「秘密保持」の規約に同意して貰うので、解禁前の情報もリークしちゃいます。その次のキャスティング候補のアイデアも募ります。
 そんな「ボードメンバー制度」、参加してみませんか?



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